Silence is the scammer's best friend; knowledge is the scammer's worst enemy. 沈黙は詐欺師のよき友達、知識は詐欺師の天敵。Think globally, act globally.
国際的詐欺事件について(注意喚起)
ある日突然、「まったく面識のない海外の人物(外国人、日本人)や法人」から、「緊急かつ極秘の取引」との 名目で、「巨額の隠蔽資金や遺産の送金や商品の大量注文」を持ちかけるメールやFAX、手紙が舞い込んでき たことはないでしょうか。西アフリカ諸国を中心としたアフリカ地域、あるいは東南アジア諸国などアジア地域 を発信源とする国際的な犯罪グループによる詐欺勧誘かもしれませんので、十分な注意が必要です 。
大規模な資金送金や商談をエサに前渡し金や商品を詐取する国際詐欺事件は、当初、アフリカ西部のナイジェリ アを舞台に世界的広がりを見せました。このため、同様の手口の犯行は、通称「419詐欺事件(ナイジェリア 刑法419条に抵触する犯罪)」と呼ばれてきました。80年代に欧米諸国で顕在化し、80年代後半には日本 にも上陸した419事件は、その後、さらに世界的規模で広がりをみせ、被害者も資産家や法人関係者から、現 在では各国一般市民に及んでいます。アプローチ方法は以前の手紙やFAXから、近年は電子メールの利用が主 流となり、アフリカ一円や欧州、アジア地域を中心に、世界各地から大量に勧誘メールが届くなど、発信源も広 域化しています。
各国政府は詐欺被害発生防止や犯行グループの取り締まりを強化し、ジェトロでも再三にわたって注意喚起を続 けておりますが、ITツールの普及、人物往来やビジネスのグローバル化が急速に進展する中、巧妙化、広域化 する犯行グループの活動封じ込めには至っておりません。続発する被害の抑止はひとえに私たち一人一人の「自 己防衛」にかかっています。詐欺にかからないためには皆さまご自身の冷静な判断、毅然とした対応が欠かせま せん。
以下に、その代表的手口や関連するメディア報道事例をご案内します。不自然なビジネス・オファーが舞い込ん だ際には、これらに該当しないかを十分に検証するとともに、疑問や不安があればお近くのジェトロ、あるいは ジェトロ東京本部貿易投資相談センター貿易投資相談課(TEL:03-3582-5171)にお問い合わせください。
419詐欺事件の代表的ケース
1. マネーロンダリング型 (前渡し金詐取)
* 各国の政府・軍・公社の高官、元高官やその親族と名乗る人物が、秘密資金の海外送金のために、貴方の口座を 貸してほしいと持ちかける。謝礼として、送金資金の一部を提供すると続く。
* コンタクトの理由は、過去の先方国でのビジネス実績、自社を知る知人の紹介など。
* 手数料等と称して、資金(1回につき数千~数万ドル)を先方の指定する口座に振り込むよう繰り返し指示され 、数回~十数回振り込むと連絡を絶つ。
2. 貿易取引型(商品/前渡し金詐取)
* Webやダイレクトリーで会社概要や製品を見た、人づてに貴社の評判を聞いたなどとして接触し、通常の貿易 取引を装いつつ多種多様な製品の大量発注を持ちかける。
* 決済手段としては、政府の為替規制を言い立て現金(電信為替)後払い、または先方国や欧米系の大手銀行の小 切手を用いる。後者については商品発送前に輸出業者に届くが、 商品発送後に銀行に持ち込むと、偽造・盗難小切手と判明、決済不能に。荷足の速い国際宅配便利用を条件に、 その送り状(Airway Bill)コピーをFAXすれば24時間以内に電信為替送金するとし、実際には送金せずに商品を詐取する事 例も増加している。
* あるいは、大型商談であることをエサに、輸入手続や決済外貨の準備、契約書作成時の印紙代等で当座の資金が 必要と、前渡し金を要求。先方指定口座に数回~十数回振り込むと連絡を絶つ。
* 商談目的での渡航を申し出、推薦状を取得して日本に不正入国を図る事例もある。
3. 貿易取引型(サンプル詐取)
* 引き合いに際し、「大量注文を検討したいので」、「見本市に出品するため」、「政府の外貨割り当てを受ける ため」などと称して、サンプルの送付を要求する。対象となる商材は小型の高額商品(高級家電等 )が多い。
* 自社へのコンタクトはWebやダイレクトリーを見た、人から紹介されたと説明。
* 政府当局の為替規制を盾とした代金後払い、あるいは偽造・盗難小切手決済でサンプルを詐取する 。
4. 遺産相続型 (前渡し金詐取)
* 先方国に在住していた現地有力者(時に日本人)が死亡し、死亡人の遺志により貴団体(NGO・学校・宗教団 体等)や個人に相当額の遺産を相続したい、との旨の書簡が、先方国の相続人や代理人を名乗るも のから届く。
* 故人は自社・団体の関係者と懇意にしていた、信頼できるパートナーと日本の知人から紹介された などと語る。
* 「手数料」や「税金」と称して、先方に資金を振り込ませ、その後連絡を絶つ。
5. 政府調達型(前渡し金/商品詐取)
* 先方国の官庁高官を装い、公的機関のレターヘッド入り書簡やFAX、メールで大量の製品納入の随意契約オフ ァーが来る。 あるいは「入札」に勧誘してくる。
* 接触理由は過去の先方国でのビジネス実績、自社を知る上司、同僚、コンサルタントの紹介、国際的な評価など 。
* 財源やスペック等を問い合わせると、かなり専門的かつ現実的な回答が寄せられる。 場合によっては、「入札」が行われる旨の「偽官報」まで送付されてくる。
* 最終的には、高額な「入札手数料」や多数の名目での契約手続き料の振り込み、これらを持参しての現地入札会 への参加(実際に偽入札会が開催された例も)を要求される。
* 随意契約あるいは競争入札で落札し、政府(公的機関)調達であることを担保に、代金後払いとした商品の大量 詐取も発生している。
6. 不正取得財産返還型 (前渡し金詐取)
* 官庁、議会、不正調査委員会などを装い、レターヘッド付の書簡やFAX、メールでお詫びがくる。内容は、前 政権時代に発注した業務の代金が水増し請求されていた、あるいは過去の詐欺被害金を回収したな ど。 後者は、被害者から資金を詐取した同一犯である可能性が高い。
* 返還の事務手続のために指定の口座に各種名目での手数料や税金を振り込むよう要求する。
* 本人証明や証言のために現地に来るように要請されることもある。 渡航した場合、現地で身ぐるみ略奪されたり身代金を要求されたりする事例もある。
7. 黒紙幣<ブラック・マネー>型 (前渡し金詐取)
* 自分は政府関係者、もしくは内戦等で死亡した某国有力者の亡命家族などと名乗り、多額の裏資金を極秘に持ち 出したと近寄る。
* 海外渡航時、あるいは日本国内で直接対面して話を持ちかけるパターンが多い。
* 黒く塗りつぶされた「米ドル紙幣(黒紙幣)」が詰まっているというケースを見せる。
* 任意の一枚を抜き出し、「特殊溶液」なる液体をかけて塗料を落とし、本物の紙幣であることを実 演する。 最近は洗浄紙幣を市内で換金し信用させる手口が横行。過去は見せ金の大半が白紙であったが近年は精巧な偽札 も多く、上記手口が可能。
* 全ての紙幣の洗浄には大量の液体が必要として、購入資金を持参・振り込ませる。購入先は欧米諸国の現地(あ るいは在日)大使館、欧米系技術者、諜報機関などを列挙。その「担当者」なる人物が現れることもある。数回 の資金授受の後、連絡が途絶える。
* 海外渡航時に、「黒紙幣」ではなく精巧な「偽紙幣」を見せ金とし、帰国後、その送金のための手数料や管轄官 庁・機関への工作費、諸税の支払いを名目に前渡し金を指定口座に振り込ませる手口もある。
8. インターネット宝くじ型(前渡し金詐取)
* 欧米諸国の公認宝くじ機関などから、世界のインターネット利用者からの任意抽選で高額のくじに当選したとの メール通知が来る。
* 返信すると、送金手続き料などの名目で、1回につき数百~数千ドルを先方の指定する口座に振り込むよう繰り 返し指示され、最終的には連絡が取れなくなる。