中国:その詐欺電話

Discussion in '報道' started by Hua Mulan, Feb 3, 2014.

  1. Hua Mulan

    Hua Mulan Administrator Staff Member

    緒方 健二 http://www.asahi.com/articles/ASG1873MRG18ULZU00J.html

    2014年1月14日

    振り込め詐欺など「特殊詐欺」の年間被害額が昨年、初めて400億円を超えた。中国に拠点を置き、日本にだましの電話を掛ける組織も数年前から現れ、被害を広げている。警察も十分につかめていない拠点の実態を元暴力団組員の男が記者に証言した。

     「警察の者です」「銀行協会からのお願いです」。昨年秋、中国・福建省。高層マンションの一室で日本人十数人全員が卓上の電話にかじりついていた。詐欺グループ内で「掛け子」と呼ばれる電話役たちだ。

     元組員の男はここに数十日間いた。日本で、知り合いの元組員に「1日で200万円稼げる仕事が中国にある」と誘われた。組を抜けて「食いぶち」を探していた。迷わずに応じた。

     日本との時差は1時間。日本時間の午前8時半~午後2時半、日本に電話を掛け続けるのが「仕事」だ。金融機関の窓口が閉じる午後3時までが勝負という。使うのは、インターネット回線を利用するIP電話。通信料が安く、発信元を特定されにくいと聞いた。

     表紙に「ひとり暮らし老人リスト」と書かれた地域別の名簿を渡された。お年寄り1人を掛け子3~4人が役割分担してだました。

     警察官役が「振り込め詐欺の被害金があなた名義の口座に入っている。口座凍結を防ぐ手続きを銀行協会の者に説明させる」と切り出す。次いで銀行協会役が預金額を聞き取り、引き出して銀行の担当者に預けるよう求める。「この電話は法律に基づいています。安心を」と弁護士役が割って入る。

     掛け子を仕切っていたのは、日本語が話せる中国人の男だった。掛け子が「だませた」と合図すると、この男が日本の拠点に連絡し、金を受け取る「受け子」を手配する。銀行協会役は「担当者がお宅に行くから、お金を渡すまで電話は切らないで」と言って被害者と話し続ける。警察への通報を防ぎ、現金の授受を確かめるためだ。

     ある被害女性は電話の向こうで「わざわざ来てくれるの? ご飯を用意しておくね」と言った。男は良心が痛んだが、笑いをかみ殺して喜ぶ周囲に「やめよう」とは言えなかった。
     

Share This Page